富士に抱かれてボート漕ぎ
最終日、朝靄に包まれて全く見えなかった富士山が、みるみる雲を脱ぎ捨てて、
静けさの戻った湖を見守るように裾野を広げていた。
この上も無く快晴!
やっぱり、ここへ来たからには、眺めているだけではつまらない。
みんな同じ気持ち! ボートの許可でいっせいに準備。
特大のライフジャケットを身につけ、評判の大型カヌーに乗せてもらおうとイソイソと待っていたのに、漕ぎ手が確保できず、中止。
小型カヌーは不安定なので遠慮申し上げ、ボートの出番を待ちながら、漕ぎ手を捜してキョロキョロ。
仲良しのOさんと私、太目のレディーを乗せてあげようという、勇者は現れず…。
「乗るの?乗らないの?漕ぐ人は?」とボート係りに急かされて、思わず「私が!」 と言ってしまった。
だって、彼女、手を傷めていたし、何よりも、二人が並んで漕げるほど座るとこ広くはなかったんだもの… (^^ゞ
向かいに彼女が座る間に、いつの間にか後ろにするりと相棒が! (*_*;
まあ、何くるないさ〜 やるっきゃない!
「ところで漕いだことあるの?」と相棒。 「まあ、昔はね!」
「いつ頃?」 「う〜ん、あれ以来かな〜」
(…と、その昔、失恋旅の松原湖で一人湖上の人となったことを思い出していた…)
オールは空回りでなかなか進まない。後から、右〜!だの左〜!だの声が飛ぶ。
「おお〜! 素晴らしい! 人に漕いでもらって富士の雄姿を眺められるとは!」
と、えらくご機嫌のご様子。
そこらへんを漂っているのがせいいっぱいと思ってたのに、いつの間にか、桟橋が遠い。
時折、漕ぐ手を止めて、富士を眺める。
「う〜ん! 気持ちい〜い! 最高〜!」
35年ぶり のボート漕ぎのごほうびは、何と、手とお尻のマメでした ^^;
帰りにスワンの遊覧船に乗ろうとかけつけた目の前で、ぼー〜っと汽笛がなって、ハイ、さようなら(T_T)/~~~
本物の白鳥さんにご挨拶して 帰途に付きました。