ガーデンデビュー
相棒の実家の庭は、一面 花大根(別名諸喝采)の薄紫で埋め尽くされていた。これはこれで幽玄で美しかったが、寂しさが増すようだった。
暮に義母が入院してから、誰もかまってやれなかった庭だったが、それでも、白と薄紅色の梅の花が次々と咲き、一枝手折って枕元に届け、春の香り を感じてもらうことができた。
桜の開花を待たずして、義母は逝き、帰ってきた部屋には、たくさんの美しい花々が飾られた。
花たちも、一つ、又ひとつ、と、その尊い使命を果たし終え、母のいる天へと旅立って行った。
命ある花たちを集めては、アレンジし、新しい花かごを作ってきたが、ひと月過ぎた今は、少しさびしくなった。
義母も懐かしいだろうと、その薄紫の溢れるような花束も飾っていたが、ふと庭を見ると、その中に、別の花の頭が見え隠れしていた。
ほんの少し助け上げて飾るつもりで、サンダル履きで庭に出た。
身の丈1m位にも伸びてしまった花大根を引き抜くこと数十分、その茎の間から次々に顔を覗かせるニューフェースたち。
腰に力を入れ、足を踏ん張って抜いていくと、その根元には雑草が絡みつき、それを取り除いて初めて、隠れていた草花が全身を現す。
そして、一番元気に優雅に並んでいたのは、妖精の森に咲いていそうな、すてきな花たちだった。名前はわからない。(写真も上手く撮れなかったけれど、誰か教えてくださいね)
気がつくと、始めてから3時間以上経っていて、庭の隅には、春霞の様な山ができていた。
なるほど、腰も痛いわけだ <(`^´)>
一休みしたら動けなくなりそうで、大急ぎでゴミ袋を持ってきて、袋詰め開始!
根っこや茎が、袋に穴を開け、裂けてしまうので、短く幾重にも折りたたんで最後に軽く巻いて入れると、驚くほど効率的に入っていく。
始めた時は果てしない作業のように思えたが、2時間かかって、袋詰め完了 \(◎o◎)/!
大きいゴミ袋に6つ !余りにも詰め込み過ぎたので、持ち上がらないほど重くなってしまい、軒下に移動させるだけでも、大仕事 !
翌朝、痛みがひどくなった腰をさすりながら、最後の仕上げ!
ほんの10mほど先の集積所までの道が、こんなに遠く感じるなんて〜 (*_*;
引き摺るようにして、6こ運び終えた時には、手は痺れ、歩くのもやっとだったけれど、
漸く人の住む家の庭に見え、大満足 \(^o^)/
義母の愛した庭に、これから何が登場するのか、楽しみながら、世話をしていきたいなあ(^^♪